姫路の造園 作庭から庭の管理までのプロセス
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姫路市のお庭のことならサンガーデンへ。
和洋造園外構エクステリア工事はお任せ下さい。
姫路市飾磨区のお庭づくり専門店です。
株式会社サンガーデン太陽の庭人田中です(^_^)
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今日はランドスケープの作庭から管理
大学で学んだことと私の体験してきたことをまとめてみました。
作庭から庭園管理までのプロセス
庭園の作庭から管理
日本庭園は作庭が四分で維持管理が六分と書かれていた。「ランドスケープデザイン原論」
確かに作庭も大切なことで庭がなければ維持管理もできない、ウエイト付けをするのであれば作庭後の方が重要である。いくら立派な名園や独創的で人を感動させるような庭だとしても庭は生きているので放置すれば数年で庭は荒れ果ててしまう。この維持管理が歴史的価値のある名園を現在まで美しさを保っている。
作庭から維持管理までのプロセス、作庭と言っても個人庭園から法人庭園、共同庭園、公園と範囲が広い。ここでは個人庭園の経験について述べる。
造園的問題の発生し施主に問題意識が生まれ造園家が求められる。その問題解決の為に業者選びが必要となる。以前は新聞や広告が主流であったが今はホームページやSNSから自分のイメージに近い会社を選ぶのが一般的になっている。家を建てた時に庭を造る、現在では庭はごく一部で多くの場合が駐車場や門柱、境界工事など機能的な役割を重視する傾向がある。造園工事より外構工事と言ったほうが良い。外構工事とは最近の業種で異業種からの参入も多くブロック職人や左官職人が外構工事をするケースも多い。また庭のリフォームが多くなっている、先代から受け継いだ庭だが維持管理費に悩まれている方も多く庭木を少なくし草の生えない施しをするケースが増えている。駐車場を広げるために庭の一部を取り壊すというケースも多い。
造園工事では施主からの紹介も多い。庭と言うと高いというイメージがあるのかどうかわからないがどこに依頼したらいいかわからないというケースがある。紹介が多い理由は知り合いが実際に庭を造り満足している事実は何よりも説得力と安心感があるからだ。 教科書にはあくまで専門家であるという印象、心から親密な同情的態度を示すべきであると記されていた。まさに同感である。私は若いときには野心に溢れすぎて自分のプロとしての意見を通しすぎて契約に至らなかったことが多かった。施主の真の悩みよりいい庭を造ることがすべてだったのだ。施主に寄り添う気持ちと問題解決の最良のパートナーであることが大前提である。その上にプロとしてのアドバイスやアイディアが必要となる。まずは人間関係を構築し施主の興味関心ごとを見つけ出し庭へ反映させる。庭造りは施主と業者の二人三脚で双方が満たされないと良い庭は出来ない。現在の私は第一印象で庭という空間をデザインするにふさわしい服装や持ち物に態度声表情を意識的に気を付けている。まずは相手の話を全て聞くようにしている、否定せず最後まで話を聞きながら問題は何かをとらえ問題解決策を同時に考えている。話が一通り終わると平面図を基にゾーニングをしながら問題点を一緒に確認する。その後に問題解決をプロとしての意見を取り入れながら平面図に書き込んでいく、男性は平面図で理解できるが女性はラフパースを描いて見せると理解してもらいやすい。このラフパースが言葉以上の説得力と期待感が増すのだ。ここでの大切なことは質問力だと感じている。施主は自分の悩みを聞いて欲しいのであって庭師のうんちくを聞きに来ているのではない。話すウエイトは施主7分自分3分にすることが大切である。 現場調査に行き測量をする、建物の雰囲気や周りの建物や街並みの特性等を見る。その場にある植木や石なども使えそうな場合は出来る限り使用する。石などは先代からの場合も多く施主に聞いてみて思い出のあるものなどは主石として家族のストーリーを造ることもある。
なにより私が一番大切にしていることは直感である。その場で感じる感覚を庭に表現する。 私はコンセプトをしっかりと明記し庭に名前を付けている、自身の作庭に価値を付けるためと根拠を付ける事とブレないようにするためである。造園家のハンフリー・レプトンは敷地の現状を描いた絵と提案したデザイン案による完成予定図を説明文とともに小冊子にまとめ、しかも皮の表紙を付けて施主に示していた。このことからもプレゼンテーションはいかに重要であるかが分かる。庭は言わば白紙の状態から絵を描くようなものでつかみどころがないのである。施主にいかにしてイメージ化させる事である。コンセプトと問題解決が結びつきストーリー性があり専門家としてのアイディアや独創性が盛り込まれ、その先にある心豊かな暮らし方や生き方を明確に示すことも大切である。またメリットだけではなくデメリットもしっかりと伝える事もプロとしての説明責任があると思う。
作庭しても維持管理が必要な事、費用面もしっかりと伝えておく。 設計図を基に実際の工事に入る。材料の発注や職人の手配に工程管理など準備がいるが近隣への配慮は最優先させなければいけない。工事途中にクレームが入ると工事に支障があるだけではなく完成後の施主と近隣の関係性まで壊れてしまうからだ。事前の挨拶や大型車の搬入日などの事前連絡に日頃のコミュニケーションなども工事を進めて行く上で大切な事である。これは自分の事ではなく施主の立場になって仕事をすると言うことである。その気持ちで工事を進めていくと些細な事でも気が付くようになる。例えば設計図面と現場でのズレの逃げのおさまりなどは現場の判断にゆだねられているが仕事がしやすいように判断するのか、施主が使いやすいように判断するのか、この些細な積み重ねも仕上がりに大きく左右すると思う。また設計通りに施工していても現場でおさまらなかったりどうもしっくりこなかったりするケースがある。その場合自分の立場で仕事を進めていれば変更はしない、でも相手の立場で仕事をしていれば工事を中断して施主と協議しお互い納得のいく工事に変更できる。このように庭は構造物を造る工事ではないので必ずしも設計図通りにおさまらないケースが多い。
終結決的関係|ここからが本当の意味で施主との付き合いが始まる。作庭はもちろんのことしっかりと人間関係も構築しておけば代替わりしても一生の付き合いになるケースが多い。維持管理だけではなく、施主の日頃の庭の手入れのアドバイスも必要になっている。水やりの期間や頻度、病害虫や下草類や低木の管理方法など小冊子にして渡している。口頭で伝えるよりもはるかに有効であるからだ。それ以外にも作庭後に予測されるクラックや風化現象などを事前に書面で説明しているのでクレームになることが少ない。これは知らされずに起こる現象が施主は不安であるのに対し事前に知識として認識があればクレームではなく想定内の結果となるからである。これも施主の立場に立って考えることで理解できる。
維持管理で大切なことは庭の木々を元気にさせる事が大前提にある。一般的には短くすることが剪定であるという認識があるが本質はそうではない。木々は成長も早い樹形を保ちながら大きさのコントロールをすること。樹形とは本来その木が持つ特性や特徴を生かした剪定方法で松は松らしく杉は杉らしくその樹木の象徴的な形である。最近では雑木を使った庭が多いく株立ちが多い、この株立ちの木は数年に一度太い枝を根元から切り大きさのコントロールをする。こうすることで作庭当時に近い自然樹形を維持できる。また目隠しの為に生垣の高さを変える、夏の暑さ対策の為に落葉樹の大きさを変えることもある。いずれにせよ作庭当時の構成を忘れずに維持管理することが大切である。新しい施主の維持管理をする場合はその庭の作庭者の意図を読み取るようにしている。意図を考えることで剪定方法も変わる、庭木の高さや幅にバランスを考えながら剪定してくのである。
この本を読んで感じたことは親方の言っていたことに近い、現場主義だった親方の教えがこの本により正当化された。親方も同じような親方に学んでいる。そうやって伝統が受け継がれていく。
作庭から維持管理までで必要なことは「寄り添う」ことだ。
自然に寄り添う、施主に寄り添う、働く人に寄り添う気持ちが根底に必要だ。