私がお庭の仕事をするようになったきっかけ
私の父は“庭の職人”でした。
私は子供のころそんな父の庭の仕事をよく手伝っていました。
本当はお客様の家に行くと10時や3時の休憩時にジュースやお菓子を出してもらえることがお目当てでした。
ある朝、父の仕事の手伝いをしたいと思いトラックに乗り込みました。
「今日は危ないから、来たらあかん」と言われました。
それでも「行きたい!」と父にお願いすると「今日は離れたところから見るだけにしろ」と父が言いました。
現場に行くと今までに見たことのない大きなクレーン車がありました。
父の合図で大きな庭石や植木が次々と運ばれてあっという間に庭が造られていきます。
私は施主のおじさんおばさんの三人でお庭が出来るのを一緒に眺めていました。
すると施主のおばさんが私に話しかけました。
「お庭が出来るのが夢やったんや!春になったらここで花見するんや!」と嬉しそうに話しました。
それを聞いた時、うちの父ちゃんかっこええなぁーと思いました。
「庭ってこんなにも人が喜ぶんや!僕も大きくなったら庭で人を喜ばしたい!」
そう決めたのは小学3年の春の日の事でした。
そのためには何より技術を身につけることや!と思いました。
高校も造園科に進学し、あこがれていた京都の庭師さんの門をたたきました。
7年間の厳しい住込みの修行生活が始まりました。
厳しさのあまり何度も逃げ出したくなりました。
それでも、庭が完成するたびにお客様の喜ばれる顔を見ると、小学生の時に感じた気持ちと同じになり、
もっとたくさんの喜ぶ顔を見たいと感じるようになり、厳しい修行生活も乗り切ることが出来ました。
私の作った庭でもっとたくさんの笑顔を身近で感じたい!
その想いで30年間、庭一筋で頑張ってきています。
「私の使命は、京都で学んだ庭園の知識や技術を基礎として心豊かになれる庭生活を発信し、この西播磨から笑顔いっぱいの家・庭をこの地域に増やしていく事です!」