秋の気配
10月~11月になると、だんだん気温も下がってきて秋の訪れを感じます。樹木も秋の姿へと変化していきます。特に落葉樹は葉の色が変わったり、葉が落ちてしまったり、大きく姿を変化させます。
アオダモはシンボルツリーとしても植栽される落葉樹です。この写真は11月上旬に姫路で撮ったものです。葉が茶色くなっています。一部は落葉しているのが分かります。
秋になると毎年落葉している様子を見ていると、人間よりも気温の変化に敏感なんじゃないかと思ったりします。落葉樹は冬の間は葉がないので少し寂しく感じますが、春の芽吹きが楽しみになりますよね。
そして先ほどの写真と同じ日に、佐用町の本社に植えてあったアオダモの様子がこの写真です。
葉が全てなくなっています。佐用町は姫路よりも寒いんだろうなということが予想できます。少しの気温の違いでも植物には影響があるみたいですね。植物もしっかりと生きているんだなあと感じます。
葉があるときのアオダモは柔らかい雰囲気なのですが、枝だけになると、ちょっとゴツゴツした感じがします。しかし、この枝だけの姿をよく観察することで、アオダモ本来の姿が分かるようになります。剪定の時にもこのアオダモらしい姿を知っておくと、美しく剪定できそうです。
これはある秋の日の剪定後のゴミの写真なのですが、すごく華やかですよね。
モミジが黄色やオレンジ、赤色に変化していて、奥には赤い実が見えます。剪定後のゴミに注目する機会はほとんどないかもしれませんが、季節の変化を感じることができます。
常緑樹はそれほど変化がないのですが、落葉樹は大きく変化します。落葉樹は夏の段階ではまだまだ葉が元気よく、葉の色も緑一色のものがほとんどです。秋になると、今回の写真のように葉の色が変わり、葉も柔らかくなっています。冬になると葉はすでに落ちています。
剪定後のゴミで特徴的なものはウメやサルスベリといった樹木です。これらの樹木は1年間でこれでもかというほど枝を伸ばします。枝も固く折れにくいので運ぶのが難しいのですが、個性的な特徴として覚えやすいですよね。剪定ゴミからもたくさんの発見がありますね。
勝手に生えてくる樹木
庭を見ていると、「こんな木植えてなかったのにいつの間に?」といったことが起こります。その代表がおそらくナンテンだと思います。
ナンテンというと、秋に赤い実をたくさん付けることで有名な樹木ですよね。その赤い実ですが、いつの間にかなくなっていませんか?その実は地面に落ちるものも多いのですが、鳥が食べている場合もあります。
そしてその実が落ちたところや、鳥が落としたところで運良く芽が出ると、植えてもいないのにナンテンが育ちます。手品みたいですね。そしてナンテンはとても強い樹木です。成長してきたときに根元で切ってもまた成長してきます。力強さというか粘り強さを感じる樹木ですね。
ツゲもよく色々なところから生えてきます。
ツゲは黒色っぽい実を付けます。ナンテンと同様の仕組みで芽が出るのですが、ツゲにはもうひとつおもしろい方法で芽を出しているパターンがあります。
それはツゲが根を周囲に伸ばすと、地表近くの根から芽が出てくるパターンです。その出てきている芽を切っても、また1年後には同じような状態になっています。
この根から次々と出てくる芽はなんというのでしょうか。幹の根元から出てくる芽はひこばえという名前が付いているのですが・・・もしかすると名前はまだないのでしょうか。調べておきたいと思います。
勝手に生えてきたものももちろん成長します。中にはかなり大きくなるものがあります。それはモチノキです。
モチノキは庭木として植栽されるのですが、勝手に生えたものが、まるで植えられたかのように堂々と庭木としてなじんでいる場合があります。
モチノキは秋から冬にかけて赤い実を付けます。やはり実というと赤い実をつけるものが多いですね。モチノキは雌株と雄株があり、実を付けるのは雌株のみです。ということは、雄株だけを植栽しておくと、勝手に生えてくるということは起こらないということでしょうか。樹木についていろいろ考えるのはおもしろいですね。