サンガーデン藤本ブログ「植栽の力」
植栽の力
この写真は植栽工事をおこなう途中の現場です。
ピンコロ石で植栽ゾーンを縁取り、真砂土を入れ高木や中木を植えたところです。
植栽が入ったことで縦横の広がりや、奥行きを感じられるようになっています。
空間としては、植栽が入ることで狭くなっているはずなのですが、枝葉に視線が移ることで、狭さを全く感じません。
寒い季節なので落葉樹の葉が落ちてしまっているのは仕方がありません。
しかし、真砂土の部分が目立ちすぎる気もします。
なんというか、もう少し緑が欲しいなあと思います。
ここからどういう変化をするのでしょうか。
低木やコケを植えて、石を配置した写真になります。
真砂土が見えなくなり、やわらかなコケやタマリュウの緑色と、大小様々な石が自然な空間を作り出しています。
木の足下から枝先まで、違和感なく見ることができるので、空間としてさらに広がりを感じます。
狭くなっているのに広く感じるこの仕組みは、お庭以外にも利用できそうですよね。
植栽ゾーンの右奥に白い管があるのですが気づきましたか?
植栽に視線が移っているので全く気になりませんよね。
中央に支柱があるのですが、こちらには気づきましたか?
この支柱も黒く焼くことで目立たなくなっています。
支柱ですら空間の一部になるとはおもしろいですね。
根元を詳しく見ていきます。
まず目をひくのが鮮やかなコケです。
面積としてはそんなに広くないのですが、ぐっと引きつけるものがあります。
次にピンコロ石に沿って植えられたタマリュウが、なめらかな曲線を描いています。
そして石です。
ひとつひとつ色と形が違う石を配置することで、より自然で違和感のない雰囲気になりました。
壁側にはオタフクナンテンやヒラドツツジが植えてあります。
後ろに行くにつれて高さが上がることで、コケや石、低木がつながりをもっています。
植栽には空間を大きく変える力があると感じますね。
この現場での経験や学びを大切にしていきたいと思います。